本資料では、皇光道柔術博武会の技法体系について紹介いたします。
皇光道柔術入江宗家から伝承された技法を基に、宮坂が解釈・整理したものとなっています。
【総論】
■技法体系
基本技法
関節を極める、投げる、当身を入れる
中心概念
封じて、崩して、重さを乗せる。そして極める、または、投げる
補助概念
緊張と弛緩(脱力とか抜きとか)、密着、手捌き足捌き体捌き、間合い、呼吸、梃子、後の先、反射、張り、六面体、三面力(前後・左右・回旋)、中心軸と補助軸、拍子、三丹田、気、自然体、引力、陰陽五行説(経絡・経穴他)、点線円球、骨格主導、居着き、残心
段位毎の発展
皇光道柔術の技法は、初段から始まり、全部で7段階です。全ての段階で、一貫して「相手の力を封じ」「相手の重心を崩し」「自分の体重を乗せる」技法をその段階に応じて習得していきます。初段で習ったことにプラスして二段を、二段で習ったことにプラスして三段をというように、段階構造の技法習得体系となっています
【各論】
■初段で習得すること
相手の力を封じる
- 当身(目潰し)を行う
- 掴まれた掌を開く
相手を崩す
- 相手の肩甲骨を挙上させる
- 相手の手首を掌屈させる
自分の重さを乗せる
- 自分の肘を前に出す
相手を極める(または投げる)
- 自分の腰を切る(但し、腰椎を回旋させるのではなく、股関節の回旋を使う)
- 相手の手首を背屈させる
- 神経面では相手の橈骨神経を、経絡面では相手の大腸経を極める
※上記はあくまでも原則であり、当てはまらない例外技法はある
■二段で習得すること
相手の力を封じる
- 当身(目潰し)を行う
- 掴まれた掌を開く
相手を崩す
- 相手の肩甲骨を挙上させる
- 相手の手首を掌屈させる
- 相手の肩関節を外転させる
- 手捌きで間合いを操作する
自分の重さを乗せる
- 自分の肘を前に出す
- 肩関節の緊張と弛緩を使う
相手を極める(または投げる)
- 自分の腰を切る(但し、腰椎を回旋させるのではなく、股関節の回旋を使う)
- 相手の手首を尺屈させる
- 神経面では相手の尺骨神経を、経絡面では相手の小腸経を極める
■三段で習得すること
相手の力を封じる
- 当身(目潰し)を行う
- 掴まれた掌を開く
- 足捌きで間合いを操作する
相手を崩す
- 相手の肩甲骨を挙上させる
- 相手の手首を掌屈させる
- 相手の肘関節を回内させる
自分の重さを乗せる
- 自分の肘を前に出す
- 全身の緊張と弛緩の力を使う
相手を極める(または投げる)
- 自分の腰を切る(但し、腰椎を回旋させるのではなく、股関節の回旋を使う)
- 神経面では相手の橈骨・尺骨神経を、経絡面では相手の陽三経(大腸経・小腸経・三焦経)を極める
■四段で習得すること
相手の力を封じる
- 当身(目潰し)を行う
- 掴まれた掌を開く
- 体捌きで間合いを操作する
相手を崩す
- 相手の肩甲骨を挙上させる
- 相手の手首を掌屈させる
- 相手の肘関節を回外させる
自分の重さを乗せる
- 自分の肘を前に出す
- 全身及び部分の緊張と弛緩の力を連動させて使う
- 三面力を使う
相手を極める(または投げる)
- 自分の腰を切る(但し、腰椎を回旋させるのではなく、股関節の回旋を使う)
- 神経面では相手の正中神経を、経絡面では相手の陰三経(肺経・心経・心包経)を極める
■師範位以降で習得すること
非公開